多忙な人のための 無理なく積読を解消する読書術
多忙な日々を送る中で、ついつい増えてしまう本の山、いわゆる「積読」に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。読む時間がないと分かっていても、魅力的な本を見つけると手に取ってしまい、気づけば部屋の一角が本のタワーになっていたということも珍しくありません。
積読が増えると、「読まなければ」というプレッシャーを感じたり、新しい本を手に取るのをためらったりと、読書そのものが負担になってしまうことがあります。しかし、積読は必ずしも悪いことばかりではありません。たくさんの本が手元にあることは、これから得る知識や楽しみに囲まれている状態とも言えます。大切なのは、積読をゼロにすることではなく、積読とうまく付き合い、無理のない範囲で解消していくことです。
この記事では、多忙な毎日の中でも積読を無理なく減らし、再び読書を楽しむための具体的な読書術をご紹介します。
積読を無理なく解消するための考え方
積読を解消しようと意気込むあまり、かえってプレッシャーを感じてしまうことがあります。まずは、考え方から少し変えてみましょう。
- 「全てを読まなければならない」を手放す 購入した本全てを、最初から最後まで丁寧に読む必要はありません。知りたい部分だけ拾い読みする、目次や見出しだけを追う「斜め読み」をする、面白くないと感じたら途中で読むのをやめる。このように、「読了」の定義を緩めることで、一冊にかける時間やエネルギーのハードルが下がります。
- 積読を「可能性の山」と捉える 積読は、これから自分に知識や刺激を与えてくれる可能性を秘めた本の山です。義務感ではなく、「どれから読もうかな」「今日はどんな新しい発見があるだろう」といった軽い気持ちで本と向き合うように意識してみましょう。
- 完璧主義を手放す 「一冊読み終えるまで次の本には手を出さない」「メモを取りながらじっくり読む」といった完璧な読書スタイルにこだわりすぎないことも大切です。今の自分の状況に合わせて、柔軟に読書の方法を変えていきましょう。
積読解消につながる具体的な読書術
次に、具体的な行動として積読を減らすための方法をご紹介します。
- 読む本を「気分」で選ぶ 積読リストを上から順番に読んでいくのは、義務感につながりやすく、疲れている時には特に負担になります。その日の気分や体調、関心事に合わせて、一番読みたい、手に取りやすいと感じる本を自由に選びましょう。ビジネス書だけでなく、物語や写真集など、リフレッシュできる本を選ぶのも良い方法です。
- 「短い時間」×「少しずつ」を繰り返す まとまった読書時間を確保するのが難しい場合は、5分や10分といった短い時間を活用しましょう。通勤中の電車の中、休憩時間、家事の合間など、意識的に本を開く習慣をつけます。一度にたくさん読もうとせず、短い時間で少しずつ読み進めることで、積読の本が着実に減っていきます。
- 読み始めのハードルを下げる工夫 積読の本をすぐに手に取れる場所に置いておく、ブックカバーを外して表紙が見える状態にするなど、物理的に本にアクセスしやすくすることで、読み始めるまでのハードルが下がります。「読まなきゃ」ではなく、「ちょっと読んでみようかな」という気持ちになりやすくなります。
- オーディオブックや電子書籍を活用する 物理的な積読を増やしたくない場合は、オーディオブックや電子書籍の利用も有効です。これらは場所を取らず、スマートフォンやタブレット一つで多くの本にアクセスできます。特にオーディオブックは、通勤中や家事をしながら「ながら読書」ができるため、忙しい合間でも本の内容に触れることができます。
- 新しい本を買うルールを決める 積読が増えるペースを抑えるために、「積読を〇冊減らしたら新しい本を1冊買う」「月に購入する本の数を決める」など、自分なりのルールを設けることも検討しましょう。無理のない範囲で、楽しみながら本を選ぶ習慣を見直します。
- 「積読棚」を作る 積読の本を一つの場所にまとめることで、現状を把握しやすくなります。ただし、見るたびにプレッシャーを感じる場合は、あえて普段あまり目にしない場所に置くのも一つの方法です。また、読み終えた本を置く「読了棚」を作ることで、達成感を得ることもできます。
まとめ
多忙な日々の中で積読が増えてしまうのは、多くの方が経験することです。積読を解消することは、義務ではなく、読書をより心地よく楽しむための手段です。
「全てを読まなければならない」という義務感を手放し、今の自分に合ったペースで、読みたい本を、読める時に少しずつ読む。オーディオブックや電子書籍も活用しながら、積読を「いつか読みたい本」という可能性の山として捉え直してみましょう。
この記事でご紹介した方法が、あなたの積読を無理なく解消し、再び読書の時間を楽しめるきっかけとなれば幸いです。