多忙でも興味のある分野を無理なく掘り下げる読書術:テーマ別本の探し方・読み方
多忙な日々を送る中で、特定の分野やテーマについて「もっと知りたい」という気持ちが湧いてくることがあるかと思います。仕事に関連することかもしれませんし、趣味や子育てに関することかもしれません。あるいは、漠然と「〇〇について学びたい」という知的好奇心かもしれません。
しかし、いざそのテーマについて本を読もうと思っても、「どの本から読めば良いのだろう」「たくさんの本を読む時間なんてない」と感じてしまい、なかなか一歩を踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、気になるテーマについて深く学ぶには時間がかかるように思えますし、情報過多な現代では、関連書籍も膨大に存在します。
本記事では、そうした多忙な方でも、無理なく、そして効率的に、興味のあるテーマについて知識を深めるための読書術をご紹介します。テーマを持って読む読書は、漫然と本を読むよりも多くの気づきや学びを得やすく、知的好奇心を満たす充実した時間になります。ご自身のペースで実践できる方法を取り入れ、読書を豊かな時間に変えていきましょう。
無理なくテーマ本を見つけるためのステップ
特定のテーマについて読書を始める最初のステップは、関連する本を見つけることです。しかし、どこから手をつければ良いか分からず、選書に迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、多忙な方でも手軽に取り組める本の探し方をご紹介します。
まずはテーマを少しだけ具体的にしてみる
「歴史について知りたい」という漠然とした興味でも素晴らしいのですが、「日本の戦国時代について」「古代ローマの暮らしについて」など、少しだけ具体的なキーワードを考えてみると、本の候補が見つけやすくなります。完璧に絞り込む必要はありません。気になるキーワードをいくつか思い浮かべてみましょう。
手軽な方法で本の情報を集める
多忙な中で書店をじっくり見て回る時間は取りにくいかもしれません。そんな時は、オンラインのツールや情報を活用しましょう。
- オンライン書店の検索:考えたキーワードでオンライン書店を検索してみます。多くのレビューが付いている本や、シリーズ化されている本は、入門として読みやすい場合があります。関連キーワードやおすすめ表示も参考にできます。
- 信頼できるレビューサイトや書評ブログ:特定の分野に詳しい人が書いた書評や、書籍を紹介している信頼できるサイトを参考にします。専門家や読書家のおすすめは、良質な本に出会う確率を高めてくれます。
- 公共図書館のオンライン蔵書検索:お住まいの地域の図書館ウェブサイトでキーワード検索をしてみるのも良い方法です。図書館には、入門書から専門書まで幅広いレベルの本が揃っています。
これらの方法なら、移動中や休憩時間といったスキマ時間にも手軽に取り組むことができます。
電子書籍や図書館を賢く利用する
購入する前に内容を確認したい場合や、一度に多くの関連本を比べてみたい場合は、電子書籍の試し読み機能や、図書館の利用が有効です。特に図書館なら、費用を気にせず様々な角度からテーマにアプローチする本を借りることができます。
テーマに沿って効率的に読む工夫
読むべき本が見つかったら、次は実際に読んでいきます。テーマを決めて読む場合、関連情報が多く、全てを丁寧に読もうとすると時間が足りなくなってしまうかもしれません。多忙な方が無理なく読み進めるための工夫を取り入れましょう。
全てを読もうとしない勇気を持つ
テーマ読書の場合、一冊の本の全てを読み込む必要がないこともあります。知りたいテーマに関する部分に絞って読む、という割り切りも大切です。
- 目次や前書き・後書きを確認する:本の全体像や著者の意図、どのような内容が書かれているかを把握します。これにより、自分が知りたい情報がどこに書かれているかの見当をつけやすくなります。
- 必要な情報がありそうな章だけ読む:目次を見て、興味のあるテーマに直接関連する章や節から読み始めます。
- 拾い読み、斜め読みを活用する:必ずしも一字一句追う必要はありません。段落の最初と最後を読んだり、キーワードを探しながら読み進めたりすることで、短時間で全体の内容を把握しやすくなります。
簡単な方法で情報を記録する
後から見返したり、情報を整理したりするために、簡単な記録方法を取り入れましょう。
- 付箋を使う:重要な箇所や後で読み返したいページに付箋を貼るだけなら手軽です。
- 電子書籍のマーカー機能:電子書籍であれば、気になる箇所をハイライトしたりメモを書き込んだりする機能があります。
- ごく簡単なメモ:ノートに箇条書きでキーワードだけメモしたり、スマートフォンのメモ機能を使ったりするなど、自分にとって最も手軽な方法を選びましょう。
細かく書き込む必要はありません。後で「何について」「どこに書いてあったか」を思い出せる程度の簡単な記録で十分です。
複数の本を並行して読むことについて
一つのテーマについて複数の本を読む場合、並行して少しずつ読み進めることも有効です。異なる視点から同じテーマに触れることで、理解が深まったり、新たな疑問が生まれたりします。ただし、無理のない範囲で、数冊程度に絞るのがおすすめです。
読んだ知識を無理なく定着・活用する
せっかく読んだ本の内容も、時間が経つと忘れてしまうことがあります。多忙な中でも、読んだ知識を無理なく定着させ、生活や仕事に活かすための簡単な方法をご紹介します。
手軽な振り返りを取り入れる
読後すぐに、ごく短時間で本の内容を振り返る時間を持つことが効果的です。
- 読んだ内容を思い出す:本を閉じて、今日読んだ中で最も印象に残ったこと、新しく知ったことなどを1分程度思い返してみます。
- メモや付箋を見返す:記録した内容を軽く見返すだけでも、記憶の定着に繋がります。
誰かに話してみる
読んだ内容を家族や友人、同僚に話してみることも、手軽なアウトプットになります。話すことで、自分の理解が整理されたり、相手からの質問でさらに考えが深まったりすることがあります。
日常生活や仕事で意識してみる
読書で得た知識や視点を、普段の会話や考え方、タスクに取り組む際に意識的に使ってみましょう。例えば、歴史の本を読んだらニュースの出来事を歴史的な視点から考えてみたり、ビジネス書を読んだら職場で実践できそうなヒントを探してみたりします。意識することで、知識が単なる情報から、自分のものへと変わっていきます。
まとめ
多忙な日々の中でも、「知りたい」という気持ちを大切にすることは、日常に彩りと学びを与えてくれます。特定のテーマを持って読書に取り組むことは、効率的に知識を深め、世界を見る解像度を高める素晴らしい方法です。
完璧を目指す必要はありません。まずは気になるテーマを一つ選び、今回ご紹介したような手軽な方法で本を探し、無理のないペースで読み始めてみてください。全てを読み切らなくても、隅々まで理解できなくても大丈夫です。読書を通して得られた一つでも新しい気づきや視点が、きっとあなたの毎日を豊かにしてくれるはずです。ご自身の「知りたい」という気持ちを原動力に、無理なく読書を続けていただければ嬉しく思います。